大腸内視鏡.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
       
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大腸内視鏡の洗浄消毒

大腸内視鏡の洗浄消毒について

洗浄機

医療機器は感染の危険度別に3段階(critical,semi-critical,non-critical)に分類されています。
その中で、消化器内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)は「semi-critical」に属し、高い水準の洗浄と消毒が必要です。
実際、内視鏡の洗浄消毒が徹底されていなかった時代には、内視鏡学会で胃内視鏡検査を介した患者間のピロリ菌感染がトピックとなったことがありました。同様の感染は病原菌の種類こそ違っても大腸内視鏡検査でも起こりうると考えてよいでしょう。

グルタールアルデヒドは強力だが…

洗浄液

最も理想的な内視鏡の消毒法はグルタールアルデヒドという強力な劇薬で一回一回消毒することです。 グルタールアルデヒドの利点は化学的滅菌が可能であること。つまり、細菌、結核菌、真菌(カビ)、肝炎ウィルス、細菌芽胞など、ほとんど全ての微生物に対して有効であることです。
逆に欠点は、消毒に時間がかかり過ぎ、皮膚などに付着した場合に人体に悪影響があることです。

学会承認の高レベル消毒液3つ

そこで新しい消毒薬として(1)フタラール(2)過酢酸(3)酸性水の3つが「高レベル消毒液」として登場しました。 前2薬は高レベル消毒薬(蛋白質変性作用をもち、短時間で高い殺菌作用と安全性を併せ持ち、毒性が低い)として内視鏡学会から正式承認されています。
酸性水に関しても高レベル消毒薬(殺菌効果が強く、大腸菌O-157やMRSAなどの一般細菌、真菌、ウィルスなどに対して幅広く即効的な殺菌効果がある)として「正しい使用に専門的知識が必要」との注釈つきで承認されています。これらの消毒薬で洗浄消毒を行っている医療機関はまず「合格点」と言えます。

より高次元の洗浄消毒を目指して

洗浄液

ところが、実際にはフタラール・過酢酸は薬剤の安定性を保つために厳密に管理する必要があり、高価であるという欠点があります。酸性水にも短時間しか安定しない、有機物の混入で効果が極端に落ちる、内視鏡が傷むなどの欠点があります。
そこで、近年ではこれらの薬剤の利点と欠点を包括的に考慮し、洗浄消毒手順を工夫したり薬剤を組み合わせたりすることによって、より高度な洗浄消毒を行っている医療機関もでてきました。 現段階では、医師が洗浄消毒に関する十分な知識を持ち合わせ、より高度な洗浄消毒を行っている医療機関での検査が望ましいと考えられます。