便潜血反応(便に血がついているか調べるスクリーニング検査)は、安価で簡便に多くの人にできる検査です。しかし、その分、正確さに欠けます。進行した大腸癌があっても、「陽性」とでるのは、約6割といわれています。つまり進行癌でも4割はキャッチできないのです。
一方で、「便潜血陽性」であっても、内視鏡検査をしてみると、異常のない人もたくさんいます。そこで、2回法といって、2日間にわたって便を調べる方法が一般的となっています。大腸癌があっても「陰性」となって引っかからないのが約40%ですので、これが2回続く確率は約16%(0.4x0.4=0.16)。つまり、2回やれば、約8割で進行大腸癌を、見逃さずにキャッチできるというわけです。
もし便潜血反応検査で、2回中1回でも「陽性」となると、大腸内視鏡検査が必要となります(大腸癌からの出血は、出たり止まったりするので、便潜血を再度行うことは無意味です)。
しかし、大腸内視鏡検査を行ってみると、「便潜血2回中、1回だけ陽性」の方は、癌が無いことの方が圧倒的に多い印象です。つまり、「便潜血2回中、1回だけ陽性」の場合の大腸内視鏡検査は、「安心の確認のための検査」だと私は普段患者さんにお伝えしております。