大腸内視鏡.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
       
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潰瘍性大腸炎の「鉛管様腸管」とは

2012/03/25

潰瘍性大腸炎の内視鏡検査や注腸造影の所見で、「鉛管様腸管」というものがあります。
正常な大腸は、襞(ひだ;ハウストラと呼びます)でくびれたようになっています。それに対して、炎症が繰り返し起こった潰瘍性大腸炎の患者さんの大腸は襞が消失し、ズドーンとしたまるで鉛管の様相になります


(正常な大腸)


(潰瘍性大腸炎患者の鉛管様腸管)

そもそも潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎とは、大腸粘膜の慢性持続的な炎症によって粘膜がおかされ、そこに浅い潰瘍(粘膜の深い欠損)やびらん(ただれ)が多発する病気です。症状は血便や粘液便で、症状が良くなったり(寛解)、悪くなったり(再燃)を繰り返します。原因はいまだ不明です。(参照)潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎で一定以上の炎症が繰り返し起こると、大腸粘膜の萎縮や短縮が見られ(硬くなります)鉛管様腸管になってしまいます。その結果、大腸の蠕動運動(ぜんどううんどう;消化された食べ物を運ぶ働き)がうまくおこらなくなってしまいます。詳しく書くと、本来なら便は蠕動運動によってゆっくりと直腸まで送られてくるのですが、鉛管様腸管ではまっすぐなパイプを流れ出るように便が排泄されてしまい、下痢や便通異常につながるのです。
この「鉛管様腸管」のような潰瘍性大腸炎のややレベルの高い所見にならないためにも、潰瘍性大腸炎の患者さんは寛解期(病状が落ち着いた時期)に入り症状が落ち着いたからといって、自己判断で通院&内服をやめることのないようにして下さい。潰瘍性大腸炎は長期間にわたって炎症をコントロールしていくことが重要です。私たちもサポートさせていただきますので一緒に潰瘍性大腸炎とうまく付き合っていきましょう。