遺伝子の変異が重なることで、正常粘膜が大腸ポリープになり、やがて大腸癌に発展することが分かっています。 大腸内視鏡を通して切除のための器具を先端から出し、通電しながら大腸ポリープを切除することができます。最近は切除方法のさまざまな工夫によって、より大きな大腸ポリープの切除が可能になってきました。 内視鏡による大腸ポリープの切除は、大腸癌の予防のためにも重要であり、熟練した医師が行えば非常に安全かつ有効な手段です。しかし「手術」には、可能性は低くても合併症が伴うことがあります。 傷口からの出血はポリープ切除後のトラブルの中で最も多いもので、確率的には数百例に一例程度の頻度で発生します。この「術後出血」はどんなに熟達した名医でもゼロにはできない合併症です。 大腸ポリープの内視鏡切除後に大腸穿孔(せんこう:穴があくこと)が起きるのは極めてまれで、数千例に対して一例程度の頻度です。切除後から2~3日以内に起こることが多い合併症ですが1週間を過ぎると0%に近づきます。大腸穿孔が起きてしまった場合、緊急で開腹手術を行います。 デスクワークであれば翌日から可能ですが、ウォーキングや散歩などの運動、腹圧のかかること、旅行や出張などは7日間避けます。出先で病院を受診することが可能な場合はこの限りではありません。 長湯・半身浴・サウナは7日間禁止です。 切除後7日間は消化のよいものを食べて頂き、その後少しずつ元の食事に戻していきます。 アルコールは原則的に5日間程度は禁止です。 大腸ポリープには「できやすい体質」や「できやすい家系」があることが知られています。 このフォローアップの目的としては、前回検査した部分の完治を確認したり、新たなポリープの出現をチェックしたりすることのほか、前回検査では残渣で見えなかった病変がないか再度チェックすることも含まれます。まれに非常に速いスピードで増殖する癌があることも、この「フォロー検査は1年後」の理由です。癌の元を早期に根絶
したがって、大腸ポリープを内視鏡で切除することが、最も有効な大腸癌の予防法なのです。具体的な切除の手順
大腸ポリープの首の部分を電気メスの輪で絞めていきます。
通電して切除します。出血しないように十分に焼きます。
切除された大腸ポリープを回収して、顕微鏡検査に提出します。切除した傷口は約3週間で自然治癒します。
大腸ポリープの内視鏡切除後の合併症について
大腸ポリープを切除した傷口は約3週間で治癒するのですが、それまでに便に血液が混ざったり、切除後しばらくして腸に穴があく可能性があります。術後出血の可能性について
切除後2~3日以内に起こることが多いのですが、1週間を過ぎると限りなく0%に近づいていきます。少量の出血(便に血液が混じる場合)は自然に止血されますので、安静にして様子を見るだけで軽減します。しかし、血液が大量に出た時(便全体が血液である場合)は大腸内視鏡で止血術が必要になることがあります。大腸穿孔(だいちょうせんこう)の可能性について
大腸ポリープ切除後の注意事項
帰宅後はなるべく安静に
シャワーは翌日から、入浴は翌々日から
食事制限
術後にも定期検診をお勧めします!
そこで、一般的には大腸ポリープの切除を受けられた患者さんは、通常なら1年後に大腸内視鏡検査のフォローアップを受けるべきだと考えています。