あけましておめでとうございます。横浜市都筑区にあります、ららぽーと横浜クリニックです。
今回のテーマはズバリ、「腸の長さ」です。
ららぽーと横浜クリニックには、毎日多くの患者さんが胃や大腸の内視鏡検査を受けに来院されますが、診察室で「検査の時に”先生に腸が長いね”って言われた!」と言う患者さんをたまに見かけます。
実際に大腸の長さって、どれくらいかご存知ですか?腸の長さによって大腸の機能が変わったりすることはあるのでしょうか?今回はそんな「腸の長さ」についてお話をしていこうと思います。
2013年に日本消化器内視鏡学会雑誌に発表されたデータによると、50歳以上の日本人650人の大腸の長さの平均は154.7cm、男性は154.3cm、女性は155.2cmといわれています。ほんの少しですがデータ上では平均的に、女性の腸の方が長いことが分かります。日本人の平均身長は男性が167.3cm、女性が154.2cmですから、身長とそこまで大きさが変わらない物が体内にあると思うと不思議な気分ですね。
ちなみに、日本人とは体型が違うアメリカ人の平均は158.2cmと、大腸の長さにはあまり差がないと発表されています。
次は腸の長いと体調に何か影響があったりするのかをみていきます。
大腸の長さは人種ではなく、個人差によるものが大きいといわれており、
データと同じように、傾向として男性よりも女性のほうが比較的腸が長いようです。
大腸が長いと、それだけ便が排泄されるまでの時間が長くなりますから、どうしても便秘になりがちです。女性で便秘になる人が多い理由の一つに腸が長いというのも含まれています。
ただ、これに関してはその人の蠕動(ぜんどう)運動の速さにもよりますので、大腸が長いからといって必ずしも便秘になるとは限りません。
また、高齢になるにしたがって大腸は長くなるようです。
大腸が長い人とは真逆に便が排出されるまでの時間は当然短くなります。そうなると、便秘にはなりにくいことが多いです。便秘の人からすると「うらやましい!」と思うかもしれませんね。ところが、大腸が短いと大腸の働きが不十分になってしまうことがあります。
大腸は便を硬くするために、腸管の壁に血管へ水分と塩類を吸収させる働きがあります。ところが、大腸が短い=便の滞在時間が短いと、大腸での水分の吸収が十分ではなく軟便になりやすいと言われています。ただ、こちらも腸内環境や蠕動運動によりますので、全ての人が軟便になりやすいというわけではありません。
いかがでしたか。
横行結腸とS状結腸は固定されずにブラブラしています。骨盤が広いと大腸が骨盤内に落ち込みやすくなり、落ち込んだ大腸は曲がりが強くなって固定がさらに悪くなります。女性に関しては、赤ちゃんを産むために男性と比べて骨盤が広いという身体的特徴がありますから、腸がたるんでしまっていることも関係するのかもしれませんね。
大腸に長い人、短い人、人の体は人それぞれです。腸が長い人は便秘になりやすかったり、逆に短い人では軟便になりやすかったり、なかなか便のコントロールってむずかしいものです。自分の体と向き合って上手に付き合っていく事は必要なのかもしれませんね。
もちろん、便秘や軟便といた症状が、腸の長さの影響ではなく、何かの病気から来ている可能性もありますので、症状が続く場合は大腸内視鏡検査を受けることをお勧めします。
腸が長いと大腸内視鏡検査はなかなか大変であることも多いです。大腸が長く検査時に辛い思いをされた方やカメラが最後まで入らなかった方、そんな方は沢山の大腸内視鏡検査をこなしている当院で検査を受ければ、熟練した医師に出会えて安心ですよ。
ですから、続く症状を我慢はせずに医師に相談することや、辛く苦い思い出があっても定期的に大腸内視鏡検査を受ける事も頭に入れておきましょう。