大腸内視鏡.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
       
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「女性が便秘になりやすい理由」;便秘の正しい対処法とは?

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2011/12/27

私の外来には、今日もまた便秘で困っている方がいらっしゃいました。
いつものことなので、下に書いたことをお話ししました。
それにしても便秘の女性は本当に多いです。
便秘は、一般に男性より女性に多く、また年齢を重ねるにしたがって増加するといわれております。
これは身体的な原因と生活習慣の二つが影響していると考えられています。

まず、身体的な原因としては、女性ホルモンとの関係があげられます。
月経や妊娠などによって分泌される黄体ホルモンの影響により、腸の蠕動運動が抑制され便秘傾向となります。
さらに身体的な原因の一つとして女性は男性に比べて腹筋が弱いことです。
腹筋は排便時に重要な役割を果たしています。
次に生活習慣にかんする原因としては、ダイエットによる食事量の減少、排泄環境(便意の我慢)、運動不足などの原因が絡み合っており、女性は男性と比べて便秘になりやすいと考えられています。

・・・・・さて、便秘がひどい場合、少しでも改善するにはどうすればいいのでしょうか?

まず、大前提として、大腸の病気の有無を確認せねばなりません。
これは、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けましょう。
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)や他の検査を的確に行って、正しく診断した上で、以下の予防法があります。

「便秘予防ポイント」

1.便意は我慢しない
便意をもよおしたらすぐにトイレに行くようにしましょう。

2.排便習慣をつける
便意がなくても決まった時間にトイレに行きましょう。同時におへそのまわりを20回なでるようなマッサージをすると効果的です。
トイレに座る時間は5分を目安に毎日続けることが大切です。たいていの人は朝食後に反射的に便意をもよおします。
これは胃に食べ物が入ることで胃・結腸反射が起こり、大腸が大きく動くからです。
このような体の自然な働きを利用して、特に朝食後には便意がなくてもトイレに座る習慣をつけましょう。
   
3.食物繊維の多い食物を摂取
食物繊維を多く含む食品(穀類、豆類、野菜類、海藻類、きのこ類、果物等)や果物を積極的に食べましょう。
成人の場合、一日約20~25gを目安に様々な食品から摂取するようにします。食物繊維は腸内細菌により分解され、ビフィズス菌などの善玉菌を増やします。
ビフィズス菌は腸の働きを活発にし、消化・吸収を促進して便秘を防止します。

4.十分な水分補給
水分不足で便は硬くなり便秘になります。

5.適度な運動で腸を刺激
体を動かすことで腸の蠕動運動が促されます。さらに腹筋をつけることによって排便がスムーズになります。
   
6.ストレスを溜めない
ストレスなどで緊張すると、腸も緊張して痙攣を起こし、便秘がひどくなることがあります。
自分に合ったストレス解消法で、心に余裕のある生活を送るようにしましょう。

7.十分な睡眠
睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こします。自律神経の乱れにより身体のリズムが狂いやすくなり、便自体が作られにくくなり便秘になってしまうのです。

8.朝起きがけにコップ一杯の水を飲む
胃腸が活動を始める前にコップ一杯の水や冷たい牛乳で刺激を与えます。

9.一日三回規則正しい食生活
正しい食生活を心がけてください。規則正しい食生活が便秘解消の第一歩となります。
3食しっかり食事を摂ることで便の量が増え、便意のリズムが整います。
特に朝食は大切です。朝食は胃腸の活動を開始させるとともに、便意を刺激します。

以上が常識的なアドバイスです。
いかがでしょうか?・・・・実際にアドバイスを完全に実行するのは、やはり難しいでしょうか?

(参照)お腹の症状と病気:便秘編