大腸内視鏡.jP
医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック監修
       
患者さんの負担を軽減する大腸内視鏡検査はららぽーと横浜クリニックへ
℡:045-929-5082

大腸ポリポーシスはどんな病気か?

2018/08/01

皆さんこんにちは。横浜市の胃腸科ららぽーと横浜クリニックです。
今回のテーマは、「大腸ポリポーシス」についてです。いいえ!「大腸ポリープ」の言い間違いではありませんよ。
この言葉を聞いたことのある方はいらっしゃるでしょうか?あまり馴染みのない言葉かもしれません。
それではまず、大腸ポリポーシスがどういうものであるかをご説明しましょう。

 

大腸ポリポーシスとは?

「大腸ポリポーシス(polyposis)」とは、大腸全体に無数(100個以上)のポリープ(大腸の壁に出来たキノコやイボ状の突起物のこと)が存在する状態です。「消化管ポリポーシス」あるいは「ポリポーシス症候群」とも呼ばれています。

大腸のみで話は終わらず、大腸ポリポーシスを発症すると胃や十二指腸、小腸、骨、軟部組織、眼など、大腸以外の全身の臓器にポリープなどの合併症を高確率で発症する可能性があります
腫瘍性(しゅようせい)のものと非腫瘍性のものがありますが、ともに進行すると大腸がんの発症に至るようです。

病気の進行を止めたいものですね。続いて、どんな症状があるのか見ていきましょう。

 

大腸ポリポーシスによって現れる症状

  • 血便、下痢、腹痛などの消化器症状
  • 体表面に骨腫や軟部腫瘍(表皮嚢胞、線維腫など)の出現
  • 肛門からのポリープ脱出や進行した大腸癌による腸閉塞

これらの症状がないから安心!と思うかもしれません。しかし、症状がないからといって安心とは言えないのです
その理由は病気の原因にあります。

 

大腸ポリポーシスの原因

大腸ポリポーシスは「腫瘍性」と「非腫瘍性」の大きく二つに分類され腫瘍性の中には「遺伝性(家族性大腸腺腫症)」と呼ばれるものがあり、親が罹患していれば5割以上の確率で子供にも性別差なく発症すると言われています。原因は遺伝子変異によることがわかっています。
また、家族性ポリポーシスの場合にはポリープは癌化する傾向が強いようです

症状がなくても安心できない理由をご理解いただけたのではないでしょうか。
「それはわかったけど、どんな検査をしたらいいの?」という声が聞こえていそうですね。次に、どんな検査があるのかをみていきましょう。

 

大腸ポリポーシスの検査と診断

まず大腸ポリポーシスが疑われた場合には、その原因の特定のために内視鏡検査などでポリープの有無を確認します
仮に症状がなくても胃や十二指腸のおよび内視鏡検査、X線(バリウム)検査、骨X線検査、眼底検査などを行い、大腸以外への発症がないかを確かめる必要があります。
また遺伝子検査を行い、遺伝子に異常がないかも調べます。
※大腸の内視鏡検査を早急に受けることが予防、治療につながります。

こうした検査の後、確定診断をされたらどんな治療を行うのでしょうか。

 

大腸ポリポーシスの治療法

 

大腸がん合併の有無を問わず、大腸切除術(結腸全摘出、回腸直腸吻合または機能温存術)が基本です。
家族性大腸ポリポーシスと遺伝子検査などによって症状が出る前に診断された場合には予防的手術として、大腸の切除手術を受けることが必要となります。が、これは遅くても20代前半までに行うのが望ましいと考えられています。
予防的手術については、大腸以外の部位ではがん化する可能性が低いことから大腸のみを行うだけで良いとされています

病気の進行を抑えるためには、患者さんの状態に合った治療をしていくことが重要です。そのためにもまずは検査を行い、早い段階で病気の状態を確認することが大切ですね。

 

最後に……

大腸ポリポーシスへのご理解に役立ちましたか?
この病気が進行すると、がん化する可能性は決して低くありません。ご家族等の近親者で発症した方がいらっしゃる場合、「まだ症状がないから大丈夫」などと思わず、まずは大腸検査を受けることを強くお勧めします。
早めの検査と治療が重要です。「そういえば……」、「もしかしたら……」と思い当たる方、心配に感じられた方、大腸内視鏡検査を受けたい方は近くの医療機関に相談をしましょう。
当院では大腸内視鏡だけでなく、鼻から入れる胃カメラも合わせて同日に行うことが可能です。お気軽にご相談ください。