こんにちは、ららぽーと横浜クリニックです。
食事をして数時間するとお腹が空(す)きますよね?当たり前のことですが、皆さんはなぜお腹が空くのかご存知ですか?
今回はお腹が空く理由を解説していきます。
血糖とは血液中に流れるブドウ糖のことで、生きていくうえで必要なエネルギーとして体内で利用されています。
車に例えて言うならガソリンのように、エネルギー源として代謝の中心的存在なのです。
この血糖の量が減る(=血糖値が下がる)と私たちの身体はエネルギーが足りなくなり(いわゆる「ガス欠」です)、「お腹が空いた」と感じるんです。
では、なぜ私たちはエネルギーが足りないことを知ることができるのでしょうか。
私たちの脳には「飢餓中枢」という神経があります。エネルギー(血糖)が不足すると、飢餓中枢が働いて唾が出始めたり、胃を動かしたりします。このように体はエネルギー不足を血糖から感知するんです。
ちなみに飢餓中枢とは逆に「満腹中枢」という神経もあります。この満腹中枢は、読んで字のごとく、満腹になったことを感知して全身に知らせる働きをしています。食べ物が胃の中に入ったとき、胃が食べ物でふくらんだ大きさを満腹中枢に伝達した結果、食欲がおさえられるというわけです。その後は満腹中枢が唾が出るのをストップしたり、胃や腸の動くスピードを遅くしたりしていくことで、さらにお腹がいっぱいと感じることになります。
ここまでのお話だけだと、空腹を感じた時には、それは低血糖・飢餓のサインであり、「ご飯を食べなきゃ!」と思いますよね。
ところが話は単純ではありません。
お腹が空いたと感じるのは実はこの仕組みだけではないんですよ。
「空腹感がある=低血糖」という仕組みだけではないってどういうことなのか。
胃は蠕動運動によって胃の中の食べ物を十二指腸へと送り出します。食後、およそ2~3時間もすれば胃の中は空っぽになります。
そうなると胃の中が空っぽになる事で内圧が下がり「偽の空腹感(空胃感)」が生じ、飢餓であるような錯覚を生じる事があります。だからと言って、その時に低血糖かと言うと、そんなことはありません。
つまり、空腹感がある=低血糖ではなく、単純に胃の中に食べ物がなくなった事を、そう感じているだけで実は血糖(エネルギー)は足りている…というわけです。
よく肥満気味の人が、朝10時ころに「もうお腹空いちゃった」などと言っている場面を見たことはないですか? まさにこの状態です。
そのような人は普段から大食であることも多いので、すでに肥満傾向であることが特徴的です。
普通、食べてから2~3時間で次の食事をとったりしませんよね。ですが、偽の空腹感(空胃感)に耐えきれず食事を摂ってしまうと、普通の人でも栄養過多(肥満)に繋がりますから注意をしましょう。
いかがでしたか?何故お腹が空くのか?という疑問は解決されたでしょうか。
お腹が減る理由は「血糖」の低下、すなわち「血糖不足の状態(低血糖)」だったのですね。この血糖とは、私たちが生きていくうえで必要なエネルギーの一つです。このエネルギーの残量が少なくなってくると飢餓中枢が働くので”お腹が空いた”と感じるわけなんですね。
ただし、血糖不足でお腹が減ったと感じる他にも、胃の中が空っぽになり胃の内圧が下がることで”お腹が空いた”と感じてしまう事も(空胃感)あるのです。
お腹が空いてきたら「自分はエネルギー不足なんだ」と体からのサインを受け取ることも必要ではありますが、最後に食事をしてからあまり時間の経っていない空腹感はもしかしたら「偽の空腹感(空胃感)」かもしれません。人間の身体にとって栄養をとることはとても大切ですが、自分の一日に必要なエネルギーを理解して、「お腹が空いたから…」と食べ過ぎる事のないよう心がけましょう。