大腸内視鏡のトップエンドレベルのドクターは、挿入をパターン化できています。
挿入を前半(SFまで)と後半(SF以降)に分けて組み立てるのです。
SFまでをストレートで挿入できたら、一段落です。
「さて、後半へ」といったところでしょうか。
この状態では、典型的なSFでは、ルーメンは左上にあるはずです。
T/Cに入ったところに辿り着いている場面です。
SFまでの挿入で空気を多く入れてしまった場合は、このパターンははっきり捉えづらいかもしれません。
私のブログでは、「襞をめくる」という表現からもわかるように、腸管内の空気がほとんどない状態を前提として書いています。
そこで、送気が多めの大腸内視鏡挿入流派向けに追加で書きます。
これまでも記述されてきたことかもしれませんが、SFで戸惑ったら右側臥位にするのが有効です。
その意味は、以下の通りです。
・右側臥位にすることで、エアーがD/Cに集まり、そのエアーを吸引できる。
腸管内の空気をできるだけ少なくすることは、今さら書くまでもない鉄則です。
・右側臥位にすることで、T/Cへプッシュで進むことが容易になる。
「SFが鋭角でなく、直角に近づく」という意味合いと、「T/C前半のプッシュ(詳しくは後日記載)でS/Cが伸展してしまうことが少なくなる」という意味合いがあります。
深吸気状態キープで操作するとうまくいく確率が高いです(横隔膜がSFを足側へ押して平低化している図を想定しています)。
・・・・いかがでしょうか。
今回はもっと短めのネタになると思いましたが、少し冗長でしょうか。
先日、午前午後とも大腸内視鏡業務にあたる日があり、合計60件の内視鏡を行いました。
時間的にはインターバルにも十分余裕があり、19時には終了し、体力的にも疲れはないのですが、「脳みそ的に」疲れました。