大腸ポリープの治療の基本は内視鏡的切除(ポリペクトミー)です。
近年の内視鏡技術の進歩とともに、ポリープのほとんどは内視鏡で切除できるようになりました。
(参照)大腸ポリープの内視鏡的切除
「大腸ポリープって癌なの?」・・・これが、患者さんから一番多い質問です。
大腸ポリープのほとんどは癌ではありません。
癌かどうかは、ほとんどが検査中に肉眼で判断可能です。
念のため、切除したポリープを組織検査(顕微鏡検査)に提出して結果(=良性か悪性か)を待つことになるのですが、組織診断(顕微鏡診断)が癌以外の場合は治療が終了します。
実は、内視鏡で切除する方法にもいろいろあります。
具体的には、内視鏡的ポリープ切除の方法には、
①スネアポリペクトミー法
②ホットバイオプシー法
③内視鏡的粘膜切除法(EMR)
などがあります。近年では上記に加えて、内視鏡的粘膜剥離法(ESD)という方法もあります。
ポリープの型や大きさによって医師が切除方法を選択します(治療を受けるときにはお任せすることで十分です)。
大腸ポリープのほとんどを占める「隆起型(有茎性・亜有茎性型ポリープ)」の場合は大きさが3㎜くらいまでは②で摘除できます。より大型の場合は①③が必要です。
次にポリープが「平面型(陥凹形や平らなポリープ)」の場合は③が行われます。
隆起型ポリープと比較して癌である頻度が高いため、術前に正確な診断が必要です(稀には内視鏡的切除でなく開腹手術が必要だからです)。
この平坦型のポリープは大腸内視鏡で発見するのが難しく、検査中にデコボコで怪しいと思われる部分に青い色素を散布しながら検査して発見されます。
どんな切除法になるにせよ、楽に検査できて正確に治療できる専門家を受診することが大切です。
(癌に変わる可能性のあるポリープを放置しておいて良いはずがありません。)
ちなみに内視鏡でポリープを切除する時には痛みは全くありません。
患者さんとしては、画面を見ていなければ、いつポリープを切除したのかわからないくらいです。
(参照)痛くない大腸内視鏡検査